1)概要

(1)概要

・ワイン生産量としては世界屈指2021年では生産量、消費量ともに世界第2位

・1935年に制定されたA.O.C.(原産地統制呼称)法は、EUのA.O.PやD.O.P.の基礎となっている。

(2)フランスワインの歴史

・紀元前6世紀、頃古代ギリシャの一民族であるフォカイア人によってブドウ栽培が、現在のマルセイユ、プロヴァンス地方にもたらされた。

・古代ローマ人によってワイン造りが広がった。

・1世紀頃、ローヌ地方から伝播し4世紀頃には冷涼なシャンパーニュ地方にもたらされた。

・中世、キリスト教会、修道院を中心にワイン生産が拡大していった。

・ボルドーやブルゴーニュで教会や貴族、豪商などによる高品質なワインの生産が始まる。

・1855年パリ万博をきっかけにメドック地区とソーテルヌ地区においてワインの格付けが制定される。

・19世紀後半、ウドンコ病、フィロキセラ、ベト病による被害を受ける。

・20世紀、第一次世界大戦や世界恐慌などの影響により、粗悪なワインの流通や産地偽装など不正が横行する。

・1935年、I.N.A.O.(国立原産地及び品質機関)の前身となる団体が設立される。

・1935年、I.N.A.O.の管轄で、A.O.C.(原産地統制呼称)法が制定される。

(3)フランスワインの産地

・シャンパーニュ地方( Champagne )

・ボルドー地方(Bordeaux)

・ブルゴーニュ地方(Bourgogne)

・ロワール渓谷地方(Val de Loire)

・ローヌ渓谷地方(Vallée du Rhône)

・アルザス・ロレーヌ地方(Alsace-Lorraine)

・ジュラ・サヴォワ地方(Jura-Savoie)

・南西地方(Sud-Ouest)

・プロヴァンス地方・コルシカ島(Provence-Corse)

・ラングドック・ルーション地方(Languedoc-Roussillon)

フランスワイン地図

図 4

(4)主な気候

・フランスは北緯41度から51度にある。日本では北海道〜サハリンあたりに位置している。

・暖流である北大西洋海流(メキシコ湾流)の影響で、北海道より暖かい。

表 4

気候区分特徴地域
大陸性気候・昼夜の気温差と夏と冬の気温差が大きい。
・季節の違いがはっきりしている。
・収穫年に差が出やすい
・ピノ・ノワールやシャルドネの栽培に適している
・シャンパーニュ
・ブルゴーニュ・ボージョレ地区
・南西地方
・ローヌ渓谷地方
・ロワール渓谷地方
半大陸性気候・日照量が多く、乾燥している
・大陸性気候に加え海洋性や内陸性気候の特徴を併せ持つ気候
・アルザス・ロレーヌ地方
・ジュラ・サヴォワ地方
海洋性気候・海に近く温暖である。
・降水量が多く湿度が高い。
・ジュラ・サヴォワ地方
・ボルドー地方
・ロワール渓谷地方
・南西地方
地中海性気候・夏は日照に恵まれ乾燥し、冬は雨量が増え湿度が高い。
・温暖
・ブドウの生育期間中に雨量が少ないため病害も少なく、安定して成熟期を迎えることができる。
・ジュラ・サヴォワ地方
・ローヌ渓谷地方
・プロヴァンス地方・コルシカ島
・ラングドック・ルーション地方

(5)主要ブドウ品種

A.白ブドウ

・1位から5位の合計で全体の75%

表 5

順位品種栽培面積(ha)主な栽培地備考
1ユニブラン
=サン・テミリオン
92514シャラント(コニャック)、南西地方、ボルドー、プロヴァンス地方・コルシカ島多くはブランデー用のワインとして栽培されている。
2シャルドネ
=オーベーヌ
=ガメイ・ブラン
=ムロン・ダルボワ
=ボーノワ
=ムロン・ブラン
54048ブルゴーニュ地方、シャンパーニュ地方、ジュラ地方、ロワール渓谷地方
3ソーヴィニヨン・ブラン
=ブラン・フュメ
31773ボルドー地方、南西地方、ロワール渓谷地方
4コロンバール11500シャラント(コニャック)、南西地方
5シュウナン
=ピノ−・ド・ラ・ロワール
10362ロワール渓谷地方

B.黒ブドウ

・1位から5位までの合計で全体の65.4%

表 6

順位品種栽培面積(ha)主な栽培地備考
1メルロ114785ボルドー地方、南西地方、ラングドック・ルーション地方・赤白合わせてのトップの栽培面積
2グルナッシュ84745ローヌ渓谷地方(南部)、ラングドック・ルーション地方
3シラー
=セリーヌ
67040ローヌ渓谷地方、プロヴァンス地方、ラングドック・ルーション地方
4カベルネ・ソーヴィニヨン46971ボルドー地方、南西地方、ロワール渓谷地方、プロヴァンス地方、ラングドック・ルーション地方
5ピノ・ノワール32778ブルゴーニュ地方、アルザス地方、ジュラ地方、シャンパーニュ地方

(6)フランスワイン法とEUワイン法

A.流れ

・1935年フランスにおいてA.O.C.(原産地統制呼称)法が制定。

・A.O.C.(原産地統制呼称)法ではブドウ品種、最大収穫量、最低アルコール度数、剪定、醸造方法などが法律により規定される。

・2009年EUワイン法が制定。

・フランスでは、EUワイン法に則って独自のワイン法を制定。

B.旧ワイン法(2008年まで)

・4段階の格付け

・A.O.C.(Appellation d’Origine Controlee アペラシオン・ドリジーヌ・コントローレ):原産地統制呼称ワイン

・V.D.Q.S.(Vin Délimité de Qualité Supérieure ヴァン・デリミテ・ド・カリテ・シューピリウール):地域指定上級ワイン

・Vins de Pays(ヴァン・ド・ペイ):地酒

・Vins de Table(ヴァン・ド・ターブル):テーブルワイン

C.新ワイン法(2009年から)

・3段階の格付け

・A.O.P.(Appellation d’Origine Protegee アペラシオン・ドリジーヌ・プロテジェ):地理的表示付きワイン(原産地呼称保護)

・I.G.P.(Indication Géographique Protégée アンディカシオン・ジェオグラフィック・プロテジェ):地域レベルに基づくワイン

・Vin de France(ヴァン・ド・フランス):地理的表示なしワイン

・A.O.P. とI.G.P.はI.N.A.O.(国立原産地及び品質機関)が管理している。

・Vin de Franceは食料農業漁業省の実施機関が管理している。

・A.O.C.がA.O.P.の条件を満たしているため、現在でもA.O.C.での表記が認められている(混在している)。

旧ワイン法新ワイン法
A.O.C.A.O.P.
V.D.Q.S.
I.G.P.
Vins de Pays
Vins de TableVin de France

図 5