1)カンパーニア州(Campania)

(1)概要

・州都はナポリ

・ロンバルディア州に次いで人口が多い

・アマルフィ海岸、青の洞窟など観光業

・白ワインが49%

・気候:海岸に近いところは温暖な地中海性気候、内陸部は大陸性気候で夏は暑いが、冬の寒さは厳しい。

カンパーニア州

図 43

(2)主要ブドウ品種

A.白ブドウ

・グレーコ(Greco):グレーコ・ディ・トゥーフォとグレーコ・ビアンコの2種類に分かれる。

・フィアーノ(Fiano): 南イタリアで栽培されている白ブドウ。

・ファランギーナ(Falanghina):2000年前後に大ブームとなった。

・コーダ・ディ・ヴェルペ(Coda di Volpe):カンパーニア州、特にイルビニア地方で栽培されている白ブドウ。コーダ・ディ・ヴェルペはイタリア語でキツネの尻尾を意味する。房が長く尻尾にいている。

B.黒ブドウ

・アリアニコ(Aglianico):イタリア南部、特にカンパーニア州、バジリカータ州で栽培されている重要な黒ブドウ。

・ピエディロッソ(Piedirosso):カンパーニア州だけで栽培されている黒ブドウ。

(3)D.O.C.G.

表 73

D.O.C.G.ワイン備考
アリアニコ・デル・タブルノ
(Aglianico del Taburno)
赤、ロゼ・やや内陸部のダブルノ丘陵にて古代ローマ以前より造られてきた非常に古い起源をもつ銘柄。
・赤、ロゼ:アリアニコ(Aglianico)主体
フィアーノ・ディ・アヴェッリーノ
(Fiano di Avellino)
・やや濃いめの麦藁色の辛口白ワイン
・白:フィアーノ(Fiano)
グレーコ・ディ・トゥーフォ
(Greco di Tufo)
白、スプマンテ・白、発泡:グレーコ(Greco)主体
タウラージ
(Taurasi)
・南イタリアで最も尊敬されているワインと言われている。
・アリアニコ(Aglianico)主体

(4)主なD.O.C.

表 74

D.O.C.ワイン備考
ヴェズヴィオ
(Vesuvio)
赤、ロゼ、白、発泡(白)・主にイタリアのカンパーニャ州のヴェスヴィオ火山周辺で生産されるワインに呼称されるラクリマ・クリスティ(Lacrima Christi)は「キリストの涙」を意味している。

2)プーリア州(Puglia)

(1)概要

・イタリア半島をブーツに例えるとカカトに位置する。

・イタリアで最も東にある州。

・一昔前まではヨーロッパ最大のバルクワインの供給地だったが、1980年代以降バルクワインの需要が激減したため、現代では品質向上に努めている。

・イタリアで最も山岳が少ない州

・気候: 典型的な地中海性気候、夏は暑く乾燥していて、冬は温暖。雨は秋と冬に集中している。

・赤ワインが54%

プーリア州

図 44

(2)主要ブドウ品種

A.白ブドウ

・ボンビーノ・ビアンコ(Bombino Bianco):特にプーリア州で栽培されている白ブドウ。

・ヴェルデーカ(Verdeca):プーリア州で昔から栽培されている白ブドウ。

・トッレビアーノ・トスカーノ(Trebbiano Toscano)

B.黒ブドウ

・プリミティーヴォ(Primitivo):カリフォルニアのジンファンデル(Zinfandel)と同じ品種。

・ネグロアマーロ(Negroamaro)、ネーロ・ディ・トロイア(Nero di Troia)、ボンビーノ・ネーロ(Bombino Nero)、マルヴァジア・ネーラ・ディ・レッチェ(Malvasia Nera di Lecce)

(3)D.O.C.G.

表 75

D.O.C.G.ワイン備考
カステル・デル・モンテ・ボンビーノ・ネーロ
(Castel del Monte Bombino Nero)
ロゼ・ボンビーノ・ネーロ(Bombino Nero)主体
カステル・デル・モンテ・ネーロ・ディ・トロイア・リゼルヴァ
(Castel del Monte Nero di Troia Riserva)
・ネーロ・ディ・トロイア(Nero di Troia)90%以上
カステル・デル・モンテ・ロッソ・リゼルヴァ
(Castel del Monte Rosso Riserva)
・ネーロ・ディ・トロイア(Nero di Troia)65%以上
プリミティーヴォ・ディ・マンドゥリア・ドルチェ・ナトゥラーレ
(Primitivo di Manduria Dolce Naturale)
赤(甘口)・プリミティーヴォ(Primitivo)

3)バジリカータ州(Basilicata)

(1)概要

・イタリア半島をブーツの形に例えると土踏まずに位置する。

・南にはイオニア海と接している。

・気候:海岸部分は地中海性気候、内陸部は大陸性気候で寒い。

・赤ワインが82%

バジリカータ州

図 45

(2)主要ブドウ品種

A.白ブドウ

・マルヴァジア・ビアンカ・ディ・バジリカータ(Malvasia Bianca di Basilicata):バジリカータだけで栽培されている白ブドウ。

・グレーコ(Greco)

B.黒ブドウ

・アリアニコ(Aglianico)、プリミティーヴォ(Primitivo)

(3)D.O.C.G.

表 76

D.O.C.G.ワイン備考
アリアニコ・デル・ヴェルトゥレ・スペリオーレ
(Aglianico del Vulture Superiore)
・D.O.C.アリアニコ・デル・ヴェルトゥレ()から独立して昇格した
・アリアニコ(Aglianico)

4)カラブリア州(Calabria)

(1)概要

・イタリア半島をブーツに例えるとつま先の部分に位置する。

・イタリア半島の最南端に位置する。

・東にイオニア海、西にティレニア海に面している。

・南西にはメッシーナ海峡を隔ててシチリア島と接している。

・ギリシャ人がイタリアを「エノートリア(ワインの大地)」と呼ぶようになったのは、カラブリアのイオニア海岸沿いのブドウ畑を讃えてのことであったと伝えている。

・気候:地中海性気候、イオニア海側の方が乾燥していて、ティレニア海側の方が温暖。

・赤ワインが77%

カラブリア州

図 46

(2)主要ブドウ品種

A.白ブドウ

・グレーコ・ビアンコ(Greco Bianco):カラブリア州で栽培されている白ブドウ。甘口ワインに適している。

・マルヴァジア・ビアンカ(Malvasia Bianca)

B.黒ブドウ

・ガリオッポ(Gaglioppo):カラブリア州で最も栽培されている黒ブドウ。

・グレーコ・ネーロ(Greco Nero):しばしばガリオッポとブレンドされる。

・ネレッロ・マスカレーゼ(Nerello Mascarese)

(3)主なD.O.C.

表 77

D.O.C.ワイン備考
チロ
(Cirò)
赤、ロゼ、白・赤、ロゼ:ガリオッポ(Gaglioppo)
・白:グレーコ・ビアンコ(Greco Bianco)

5)シチリア州(Sicilia)

(1)概要

・イタリア最南端に位置している。

・イタリア最大の州。

・地中海最大の島で、エオリエ諸島、エガディ諸島、ペラジェ諸島、ウスティカ島、パンテッレリア島を含む。

・気候:地中海性気候、夏は暑く、冬は温暖。

・白ワインが65%

シチリア州

図 47

(2)主要ブドウ品種

A.白ブドウ

・カタラット(Catarratto):シチリアで最も栽培されている白ブドウ。

・アンソニカ(Ansonica)=インツォリア(Inzolia):トスカーナではアンソニカ、シチリアではインツォリア。

・グレカニコ(Grecanico):シチリアで栽培されている白ブドウ。

・ジビッボ(Zibibbo)=モスカート(Moscato):モスカート・ダレッサンドリアをシチリアではジビッボと呼ぶ。

・カッリカンテ(Carricante):エトナの固有白ブドウ。酸が強く長期熟成に向き。

B.黒ブドウ

・ネーロ・ダヴォラ(Nero d’Avola)=カラブレーゼ(Calabrese):シチリアを代表する黒ブドウ。

・ネレッロ・マスカレーゼ(Nerello Mascarese):エトナの代表的な品種。

・フラッパート(Flappato)シチリア東部で栽培されている黒ブドウ。ネーロ・ダヴォラとブレンドされることが多い。

(3)D.O.C.G.

表 78

D.O.C.G.ワイン備考
チェラスオーロ・ディ・ヴィットリア
(Cerasuolo di Vittoria)
・赤:ネーロ・ダヴォラ(Nero d’Avola)=カラブレーゼ(Calabrese)主体、フラッパート(Flappato)

(4)主なD.O.C.

表 79

D.O.C.ワイン備考
エトナ
(Etna)
赤、ロゼ、発泡(ロゼ)、白、発泡(白)・赤、ロゼ:ネーロ・ダヴォラ(Nero d’Avola)他
・白:カッリカンテ(Carricante)
マルサラ
(Marsala)
赤、白・シチリア等西側で造られる酒精強化ワイン。
・イギリスでは、ポート、シェリー、マデイラと並んで高い評価を得ていた。
・色で黄金色(オーロoro)、琥珀色(アンブラambra)、ルビー色(ルビーノrubio)と分かれている。
・甘さでセッコ(40g/L以下)、セミセッコ(40〜100g/L)、ドルチェ(100g/L以上)と分類されている。
・このほか製造法や熟成期間により分類されている。
・赤:ペッリコーネ(Perricone)=ピニャテッロ(Pignatello)、ネロ・ダーヴォラ(Nero d’Avola)、ネレッロ・マスカレーゼ(Nerello Mascalese)他
・白:グリッロ(Grillo)、インツォリア(Inzolia)、ダマスキーノ(Damaschino)
モスカート・ディ・パンテッレリア
(Moscato di Pantelleria)
白、発泡(白)・白:ジビッボ(Zibibbo)=モスカート(Moscato):モスカート・ダレッサンドリア100%

6)サルデーニャ州(Sardegna)

(1)概要

・地中海でシチリア島についで2番目に大きい島。

・シチリア、ピエモンテに次いで3番目に大きい州。

・気候:海岸部は地中海性気候、夏は暑く乾燥していて、冬は温暖。内陸部は大陸性気候で昼夜の温度差が激しく、冬の寒さは厳しい。

・白ワインが33%

サルデーニャ州

図 48

(2)主要ブドウ品種

A.白ブドウ

・ヴェルメンティーノ(Vermentibno)

・ヴェルナッチャ・ディ・オリスターノ(Vernaccia di Oristano):ヴェルナッチャの一種、サルデーニャ州、特にオリスターノで栽培されている白ブドウ。

・ナスコ(Nasco)歴史が古いサルデーニャ州の白ブドウ。

B.黒ブドウ

・カンノナウ(Cannonau):サルデーニャ州で最も多く栽培されている黒ブドウ。

・カリニャーノ(Carignano)=カリニャン(Carignan)

・ジロ(Girò):サルデーニャ南部のカンピダーノ平野で栽培されている黒ブドウ。

・モニカ(Monica)

(3)D.O.C.G.

表 80

D.O.C.G.ワイン備考
ヴェルメンティーノ・ディ・ガッルーラ
(Vermentino di Gallura)
サルデーニャ・ヴェルメンティーノ・ディ・ガッルーラ
(Sardegna Vermentino di Gallura)
白、スプマンテ、フリッツァンテ、パッシート、ヴェンデンミア・タルディーヴァ・ヴェルメンティーノ(Vermentibno)主体